まえがき
ネックレスのチェーン切れ修理を持ってきてくれるお客様、実はけっこう多いんです。
お預かり書を書くためにチェーンを見ると、よれよれになってることがほとんど・・・。
「つけっぱなしにしてましたか?」って聞くと、だいたい「はい」って返ってきます。
つけっぱなしにしたいお気持ちはすごくわかるんですけど、ネックレスって実は素材とデザインによって、つけっぱなしに向いてるものとそうじゃないものがあるんです。
現役ジュエリー販売員の私が、本音でお伝えします。

このチェーンよれよれじゃん、つけっぱなしはやめてくださいってお伝えしたのに…。

外す癖になってないとなかなか難しいですね~。
同じチェーン発注しといてください。
✦つけっぱなしに向いている素材
*サージカルステンレス
変色しないしアレルギーにも比較的優しいとされているのがサージカルステンレス。
つけっぱなしにする素材としてはよく選ばれています。
アレルギーを起こしにくいとされるのがSUS316Lという規格のものです。
ただしそれ以外の「サージカルステンレス」には明確な規格がありません。
同じ「サージカルステンレス」でもピンキリなのが正直なところ。
それに金属アレルギーって「この素材なら絶対大丈夫」が言えないんです。
お店でよくあるのが、「チタンはOKだけど金がダメ」「昔は大丈夫だったのに今はかぶれる」という話。
何に反応するかは人によって違うし、使ってみないとわからないこともある。
だから「アレルギー対応」の文字を見て安心しすぎないでほしいというのが本音です。
*K18・プラチナ
ゴールドやプラチナのチェーンはつけっぱなしでも素材的にはOK。
変色もしないし錆びもしません。
でも私が本音で言うと、できれば外す癖をつけてほしいんです。
一番の理由は汚れ。
一緒にお風呂に入ると皮脂や石けんカスがチェーンの隙間に残って、気づかないうちに汚れが蓄積していきます。
それからもう一つ気をつけてほしいのがK18WG(ホワイトゴールド)。
ホワイトゴールドは実はゴールドにパラジウムなどを混ぜて白くした素材で、表面にロジウムメッキが施されています。
つけっぱなしにすると日常の擦れでメッキが少しずつ剥がれて、下のゴールドの黄色みが出てきてしまうんです。
「なんか黄色っぽくなってきた」と持ち込まれるお客様が結構いらっしゃいます。
ロジウムメッキのかけ直しで綺麗になりますが、それも費用がかかります。
海外のハイブランドは、ほとんどK18WGです。
プラチナが好きなのは日本人だけって聞いたことがあります(笑)。
私もプラチナ派です。
若い頃はK18ばっかりでしたが、大人になったらプラチナ派になりました。
それから長年つけっぱなしにしていると、チェーンとトップの擦れで少しずつすり減ることも。
お客様で何十年もつけっぱなしという方がいて、トップのバチカン部分がすり減って今にも切れそうな状態になっていました。
修理でバチカンに金を足したり交換したりすることになるんですが、これが結構お金がかかります。
できれば外す癖をつけてください。
*シルバー
シルバーはおしゃれで人気の素材ですが、つけっぱなしには正直向いていません。
シルバーが黒くなるのは「酸化」と思われがちですが、正確には「硫化」という現象です。
空気中や汗・皮脂に含まれる硫黄成分と反応して黒ずんでいきます。
つけっぱなしにすると常に汗が当たった状態になるので、黒ずみがどんどん進行します。
実は私自身もシルバーをつけっぱなしにしていたことがあって、汗をかく季節に首がボロボロになった経験があります。
これは金属アレルギーの反応で、シルバー925には銀以外の金属(銅など)が7.5%混ざっていて、それが汗で溶け出して肌に反応することがあるんです。
黒ずんでしまったときは、耐熱容器にアルミホイルを敷いてシルバーを置き、重曹を振りかけてお湯を注いで5〜10分置くと化学反応で黒ずみが落ちます。
シルバークロスで軽く磨くのもおすすめです。
歯磨き粉で磨く方法もありますが、研磨剤が含まれているのでやりすぎると傷がつくことがあるので注意してください。
ただし石がついているものや接着剤で留めてあるものはどの方法も要注意です。
✦でも本当は本物を付けてほしい(私の本音)
これは完全に私の本音というか、自己満足の世界なんですけど…やっぱりどうせ着けるなら本物がいいなって思うんです。
サージカルステンレスは変色しないし手入れも楽だし、確かに便利。
でも本物のK18やプラチナを着けたときのあの重みと、肌に触れたときのひんやり感って、ステンレスじゃ味わえないんですよね。
あれを一度知ったらやめられないんです。
それに本物のジュエリーは大切に使えば一生もの。
自分が年を取ったとき、娘や息子、孫に譲り渡せる。
そういうものって、価値があると思うんです。
ステンレスを否定したいわけじゃないけど、せっかくジュエリーを着けるなら、そんな特別な一本を持ってほしいなというのが、私の本音です。
✦つけっぱなしにするなら地金チェーン一択な理由

つけっぱなしにするなら、地金だけで作られた太めのチェーンをおすすめします。
地金チェーンというのは、石やモチーフがついていない、金属だけでできたシンプルなチェーンのことです。
細いチェーンはつけっぱなしにするとよれやすく、気づいたら切れていた、ということが起きやすいんです。
特にベネチアンチェーンのような細くて繊細なデザインは、日常の動きや寝返りでどんどんダメージが蓄積されます。
太めのチェーンだと引っかかりにくいし、多少の摩擦にも耐えられます。
ロープチェーンやペーパークリップチェーンのような太めのデザインがつけっぱなし向きです。
修理の観点からも、細いチェーンは切れたときの修理代が意外と高くつきます。
しかも今は金の価格が高騰しているので、ちょっとした修理でも以前とは比べ物にならないくらい費用がかかるんです。
だからこそ、買ったら大切に扱ってほしいし、つけっぱなしで傷めてしまうのはもったいないなと思っています。
✦石つきプチネックレスをつけっぱなしにするリスク
プチネックレスはとにかくかわいいし、胸元でキラキラ輝いて素敵ですよね。
毎日つけたい気持ちはすごくわかります。
でもつけっぱなしにするのは、実はかなりリスクが高いんです。
まず一番心配なのがチェーン。
プチネックレスのチェーンは細いものが多くて、つけっぱなしにするとよれたり切れたりしやすいんです。
チェーンが切れた瞬間にスルっと落ちてしまったり、高いダイヤモンドまでなくす可能性もあります。
それから石の留め方も気をつけてほしいポイントです。
爪留めのネックレスは、日常の動きで少しずつ爪が起き上がってしまうことがあります。
服の繊維に引っかかったりすることが原因のひとつで、爪が変形すると石が外れてしまう可能性も出てきます。
ネックレスはリングやブレスレットほど引っかかりやすくはないですが、つけっぱなしにしているとその分リスクは上がります。
フクリン留め(石を金属で包み込む留め方)は比較的安心ですが、それでも定期的にチェックしてあげるのがベターです。
修理に持ってきてくれればまだいいんですが、石をなくしてしまったら取り返しがつきません。
プチネックレスは出かけるときだけつけるのが一番安心です。

きゃッ、石がなくなってる…これつけっぱなしにしてたから爪が変形しちゃったんだ~💦

せっかくのダイヤモンドが…もったいないですね💦
石入れの見積もり取らないと・・・。
✦店員おすすめの着け方

私がおすすめする使い分け方はシンプルです。
太めの地金チェーンをつけっぱなし用にして、プチネックレスは出かけるときだけ重ね付けする方法です。
地金チェーンは素材さえよければつけっぱなしでも比較的ダメージを受けにくいし、シンプルなデザインだから何にでも合います。
そこにお気に入りのプチネックレスを短めにして重ねると、おしゃれ度もぐっと上がります。
帰ってきたらプチネックレスだけ外す。
それだけで大切なジュエリーをずっと綺麗に保てるし、石をなくすリスクも減らせます。
毎日のちょっとした習慣が、ジュエリーの寿命を大きく変えますよ。
