大切なジュエリーを購入すると付いてくる宝石鑑定書や鑑別書。
もらったはいいけど、あんまりよく見たことがない…という方も多いのではないでしょうか。
実はこれ、宝石の「身分証明書」とも言える大切な書類なんです。
今回はジュエリー販売歴十数年のわたしが、宝石鑑定書・鑑別書の基礎知識や料金をわかりやすく解説します。
そして、鑑別書を作成したときに起きた衝撃のエピソードもお話しします。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです✨
✦宝石鑑定書・鑑別書の料金
宝石鑑定書・鑑別書の作成料金は、依頼する鑑別機関・石の種類・大きさ・検査内容によって大きく異なります。
目安としては数千円から、検査内容によっては数万円になることもあります。
例えば国内最大手の鑑別機関CGL(中央宝石研究所)の場合、鑑別書の基本作成料金は4,400円〜。
グレーディングレポート(鑑定書)はダイヤモンドの大きさによって変わり、1ct未満で約5,600円〜、1ct以上で約9,100円〜が目安です。
さらに産地鑑別などの特殊検査が必要な場合は別途料金が加算されます。
またジュエリーショップを通して依頼する場合は手数料がかかることもあります。
料金は各鑑別機関の公式サイトで確認することをおすすめします。
✦宝石鑑定書・鑑別書の基礎知識
宝石鑑定書と鑑別書、似ているようで実はまったく別物です。
鑑別書とは、すべての宝石に発行できる書類です。
その宝石が天然か人工か、どんな処理が施されているかを科学的に証明するもので、いわば宝石の「身分証明書」です。
重量・寸法・屈折率などのデータが記載されますが、品質の評価は含まれません。
鑑定書とは、ダイヤモンドにのみ発行される書類です。
正式名称は「ダイヤモンド・グレーディング・レポート」といいます。
4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)という国際基準に基づいて品質を評価したものです。
いわばダイヤモンドの「成績表」です。
つまりカラーストーン(ルビー・サファイア・エメラルドなど)には鑑別書のみ発行され、鑑定書は発行されません。
鑑定書・鑑別書は、ジュエリーショップを通して鑑別機関に依頼するのが一般的です。
国内の主な鑑別機関としてはCGL(中央宝石研究所)・AGTジェムラボラトリーなどがあります。
また世界的に権威のある機関としてGIA(米国宝石学会)があります。
現在のダイヤモンドの基準となっている4C(カラット・カラー・クラリティ・カット)を考案したのもGIAです。
年配の方がお孫さんにプレゼントされるときなど、私はこんな風に説明しています。
鑑別書は、これはダイヤモンドですよとかルビーですよって言う証明書。
鑑定書はダイヤモンドだけについて、ダイヤの大きさ、カラー、カット、内包物があるかないかが記録されていますよ。
プレゼントされて本物かどうか分からないと困るから、これも一緒に渡してあげて下さいねって…。

鑑別書と鑑定書、お客様にうまく説明できるか最初は不安でした。

お孫さんへのプレゼントのときのような身近な例で説明すると、お客様にも伝わりやすいですよ。
✦鑑別書作成の衝撃エピソード
最後に、私が販売員として経験した衝撃のエピソードをお話しします。
知り合いがと言うか、前の職場で一緒だった I さんが私がジュエリーショップで働いているのを誰かに聞いて来てくれました。
前の職場を辞めてからずいぶん経ってたからめちゃくちゃ久しぶりで会いに来てくれたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。
私の母親と同じくらいの年齢の I さん…一緒に働いてるときは、優しくしてくれたなぁ。
しばらく懐かしい思い出話が盛り上がって楽しかったです。
どうして私を訪ねてきてくれたか?
ここからが本題です。
I さんが「旦那にもらった指輪とネックレスのセットに鑑別書がついていないから作って欲しい。」とご相談いただきました。
一見するとサファイアのような青い石にダイヤモンドの取り巻き、いかにも高級感のある素敵なセットでした。
石も大きくってかなり高そうな感じ💦
ご主人が海外で買ってきてくれたとおっしゃっていました。
「ゆくゆくは娘に譲りたいから、ちゃんとした証明書が欲しい」とのことでした。
鑑別機関に依頼して数週間後、立派な写真付きの鑑別書が2冊できあがりました。
ところが鑑別書に記載されていたのは…「人工石」の文字でした💦
I さんに鑑別書をお渡しする瞬間のあの空気は今でも忘れられません。
I さんは、人工石だなんてこれっぽっちも思っていなかったと思います。
それが分かっていたから説明しにくかったです。
高いお金を払って、鑑別書を作成してもらって、人工石だなんてこっちが申し訳ない気持ちになりました(涙)。
旦那さんは本物だと思って買ったのか、人工だと知ってて買ったのか、気になったけど聞けなかった💦
I さんは、きっとめちゃくちゃショックだったと思うけど、そんなそぶりも見せず・・・。
鑑別書はそのジュエリーの真実を明らかにする書類です。
結果がどうであれ、大切なジュエリーの正体を知ることは、次の世代に引き継ぐためにも大切なことだと思いますが・・・めちゃくちゃ複雑な気持ちでした💦
その後、I さんかメールが来て「この前はありがとうね。主人には人工石だったことは言わなかったよ。」って…。
私だったら帰ってすぐ言っちゃうんだけど💦
言わなかったことが I さんのご主人への優しさだったのかなぁって思いました。

Iさんのこと、今でも時々思い出します。
あの鑑別書をお渡しするときの空気…今でも忘れられないです。

鑑別書は真実を映す鏡ですからね。
それをどう受け止めるかはお客様次第ですが、正確な情報をお伝えするのが私たちの仕事ですよ。
✦まとめ
今回は宝石鑑定書・鑑別書の料金と基礎知識についてご紹介しました。
- 鑑別書 すべての宝石に発行できる「身分証明書」
- 鑑定書 ダイヤモンドのみに発行される「成績表」
- 料金 数千円〜検査内容によっては数万円になることも
大切なジュエリーを次の世代に引き継ぐためにも、鑑定書・鑑別書はとても大切な書類です。
お手持ちのジュエリーに鑑定書・鑑別書がない場合は、ぜひジュエリーショップに相談してみてください😊

