ジュエリーショップに立ち寄ると、店員から「お手持ちのジュエリーのクリーニングはいかがですか?」と声をかけられた経験はありませんか?
実はこれ、単なるサービスではなくお客様との大切なコミュニケーションのきっかけになっています。
クリーニングをしながら「このリング、長くお使いなんですね」「どんな石がお好きですか?」なんて会話が生まれて、気づけばすっかり仲良くなっていた…。
というのはジュエリー販売員あるあるのひとつです。
でも実は、クリーニングには販売員がヒヤッとする瞬間もあって…。
今回はジュエリー販売歴十数年の私が、クリーニングと超音波洗浄機について、店頭では話せないリアルな話も交えながらご紹介します。

クリーニングってサービスだけじゃなくて、実はお客様と仲良くなるきっかけにもなるんですよね〜。

そうですね、クリーニングをきっかけに常連さんになってくれるお客様も多いですね。
✦ジュエリークリーニングとは?
ジュエリーショップで行うクリーニングとは、お客様のお手持ちのジュエリーの汚れを落として輝きを取り戻すサービスのことです。
多くのジュエリーショップでは無料で行っています。
クリーニングの手順はざっくりこんな感じです。
まずジュエリーをお預かりして、石が取れていないか・石が揺れていないか・爪が摩耗していないか・石の割れや欠けなどをチェックします。
石が取れていたり揺れている場合はお客様にお伝えして、お修理のお預かりをします。
割れや欠けの場合ももしかして気付いていないかもしれないのでお伝えします。
言っておかなければ、私がやったと思われるのも問題になるので、洗浄する前にお伝えします。
異常がなければ次のステップへ。
超音波洗浄機に入れても大丈夫な石かどうかを確認してからクリーニングを行います。
超音波洗浄機とは、水や洗浄液の中で超音波振動を起こすことで、ジュエリーの細かい隙間に入り込んだ皮脂や汚れを浮かせて落とす機械です。
主に汚れを落とすだけで、傷などは綺麗になりません。
ダイヤなどはハンドクリームなど油分がつくと輝きが鈍くなってしまうので、洗ってもらうと輝きが全然違いますよ。
ジュエリーショップではおなじみの機械で、短時間でしっかり汚れが落ちるのが特徴です。
眼鏡屋さんで眼鏡を洗浄してもらうときと同じ機械なので、イメージしやすいのではないでしょうか。
✦販売員あるある:ジュエリークリーニング編
お店にご来店されたお客様が指輪やネックレスをつけていらっしゃると「クリーニングしましょうか?」とお声掛けします。
クリーニングはお客様との距離を縮める絶好のチャンスです。
クリーニングして綺麗になると喜んでもらえるので、私もうれしくなります。
なので必ずと言っていいほどクリーニングさせて頂きます。
自分からすすんでやらせて頂いてるのですが、実は販売員がヒヤッとする瞬間もあります。
こんなことがありました。
プラチナのダイヤのリングでした、いつも通りお預かりして、ピンセットで石揺れチェックをして異常なし何の迷いもなく超音波洗浄機に入れました。
ジィーーーーって音がして、汚れがもわぁ~っと浮いてくるのを見るのが好きです。
洗浄し終わって、指輪を取り出して水気を拭いて・・・そしたらメレダイヤが1つない💦
慌てて洗浄機の中を見るとキラッと光るものが…。
そう、石が取れていたんです💦
細かいメレダイヤは石が緩んでいてもなかなか気づきにくいんです。
お客様に正直に説明して、責任もって直させて頂きますとお伝え、こちらのミスなのでサービスで石入れをしなければなりません。
石入れにはもちろんコストがかかるので「クリーニングしなきゃよかった…」と思いました。
喜んでもらおうとしたことが裏目に出ることって結構あるんです。
でも…。
お修理でお預かりして直してお返ししたとき、申し訳なく思ったのかそのお客様が指輪を1本お買い上げくださったこともありました。
不幸中の幸いと言っていいのか分かりませんが…クリーニングがきっかけでご縁が深まった瞬間ですね。
十数年販売員をしていると、こういうドキドキする場面は一度や二度ではありません😅
✦超音波洗浄機に入れてはいけない石
超音波洗浄機に入れてはいけない石があります。
実はお店では洗浄機の横に石の種類をまとめた表を貼って、確認しながらクリーニングを行っています。
それほど石の見極めは大切なんです。
代表的なNG石をご紹介します。
エメラルド
含浸処理(オイルや樹脂を染み込ませて見た目を良くする処理)が施されていることが多く、超音波の振動でその処理が剥がれてしまう恐れがあります。
(含浸処理とは固体内部の目に見えない微細な隙間や空洞に、液体(樹脂やガラス質など)を浸透させて埋める技術)
オパール
水分を含む石のため、超音波の振動や熱で割れたり白濁したりすることがあります。
(白濁とは透明度を失い白く曇って見える現象)
トルコ石(ターコイズ)
多孔質で水分や洗浄液を吸収しやすく、変色や劣化の原因になります。
(多孔質とは物質の内部や表面に、目に見えないほどの小さな穴(細孔)が無数に開いている構造)
真珠
有機物でできているため、超音波の振動で表面の光沢(巻き)が傷ついてしまいます。
サンゴ
真珠と同様に有機物のため、振動で傷んでしまいます。
洗浄機NGの石
| 石の名前 | NG理由 |
|---|---|
| エメラルド | 含浸処理が剥がれる恐れがある |
| オパール | 割れや白濁の恐れがある |
| トルコ石(ターコイズ) | 変色・劣化しやすい |
| 真珠 | 表面の光沢が傷つく |
| サンゴ | 有機物で傷みやすい |
| アウイナイト | 柔らかく割れやすい |
| ラピスラズリ | 多孔質で変色しやすい |
| アンバー(琥珀) | 有機物で傷みやすい |
| マラカイト | 多孔質で変色しやすい |
| ムーンストーン | 割れやすい |
| タンザナイト | 熱や振動に弱い |
| ペリドット | 熱や振動に弱い |
| トパーズ | 割れやすい |

お店では洗浄機の横に表を貼って確認してるんですけど、それでもドキドキします💦

石の種類を見極めるのも販売員の大事な仕事ですね、慣れてきても気を抜かないことが大切です。
✦まとめ
ジュエリークリーニングはお客様のジュエリーを美しく保つための大切なサービスです。
そして販売員にとってはお客様との距離を縮める大切な時間でもあります。
超音波洗浄機はとても便利な機械ですが、石の種類によってはNGなものもあることをぜひ覚えておいてください。
ジュエリーショップに立ち寄った際はぜひ気軽にクリーニングをお願いしてみてください。
きっとジュエリーが生まれ変わったように輝きますよ✨

