「お客様は神様です」という言葉、一度は聞いたことがありますよね?
でも現実は…そう簡単ではありません。
ジュエリー販売員を十数年やってきた私が、実際に経験したカスハラの実態を正直にお話しします。
✦ジュエリーショップのカスハラ客に悩む店員の実態
ジュエリーショップというと、華やかで優雅なイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも実際には、どんなお店にも一定数、対応に困るお客様がいるんです。
最近では「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉が広く知られるようになり、2024年には東京都でカスハラ防止条例が施行されました。
2026年には企業への対策義務化も予定されています。
販売員を長年悩ませてきた問題が、ようやく社会に認知されてきたんだなぁと感じています。
*カスハラとは?
カスハラとは、顧客が従業員に対して社会通念を超えた言動で精神的・身体的苦痛を与える行為のことです。
「暴言を吐く」「土下座を強要する」といった激しいものだけではありません。
継続的・執拗な言動や、長時間の拘束もカスハラに該当します。
*カスハラに悩む販売員のリアル
カスハラを受けた販売員は、表向きは笑顔で接客しながら、内心では疲弊しています。
「買ってくれるお客様だから…。」「クレームになったら困るから…。」と、店側がなかなか強く言えないのが現実です。
結果として、被害を受けるのはいつも現場の販売員なんです。
✦ジュエリーショップにもカスハラはある
* カスハラってどんな行為?
カスハラに該当する行為には、こんなものがあります。
・長時間にわたって店に居座る
・従業員に愚痴や悪口を延々と聞かせる
・他のお客様の接客中に拗ねる・怒る
・「自分は特別なお客様だ」という態度で過度な要求をする
どれも「暴言や暴力」ではないけれど、じわじわと販売員を消耗させる行為です。
*「お客様は神様です」の時代は終わった
かつては「お客様の言うことは絶対」という空気がありました。
でも今は違います。
従業員を守ることも、企業の大切な責任になってきています。
カスハラに毅然と対応することは、お店全体を守ることにつながります。

カスハラって暴言や土下座強要だけじゃないんですよね…。
毎日来て長時間居座るだけでも十分しんどい💦

そうですね。
目に見えない行為でも、積み重なれば販売員への深刻なダメージになります。
一人で抱え込まないことが大切ですよ。
✦ 販売員が実際に経験したカスハラの実態
ここからは、私が実際に経験したエピソードをお話しします。
*自分は特別だと思っているお客様
お客様のA様は、常連のお客様でまぁまぁ買ってくださる方でした。
よく差し入れをしてくださったり、最初は嫌な感じじゃなかったです、どちらかと言えば好きな方でした。
でも、他のお客様から聞いたのですがA様が「あのお店では私は特別扱いされている。」と自分で言いふらしていたと聞きました。
*毎日来て長時間居座る
そのお客様、最初は1週間に1回くらいのペースでした。
それが週3になり、しまいにはほぼ毎日来店されていました。
しかも滞在時間がとにかく長い。
接客とはいえ、正直「今日も来た…💦」と思ってしまう自分がいました。
朝から晩までいることも珍しくなく、なぜか私が相手しないといけない回数が多いし、時間も長い気がして…。
段々気持ちがしんどくなるし他のスタッフに対して不満も募る始末💦
みんなその方が来ると授業中に先生にあてられるのを避けるかのように目をそらすじゃないけど、急に忙しくやらないといけないことがあるみたいな感じにして…。
あきらかに避けてます、あきらかに逃げてます。
その後みんなで話し合い、スタッフ全員で順番に対応することにしました。
*愚痴・悪口を聞かされ続ける
話の内容も、愚痴や悪口がほとんど…。
聞きたくない話を笑顔で聞き続けるのは、想像以上に消耗します。
「接客」なのか「話し相手」なのか、はたまた「心療内科のカウンセラー」なのか分からなくなることもありました。
これが愚痴や悪口じゃなく、もう少し楽しい話だったら多分全然違ったと思います。
*他のお客様の接客中に拗ねる
いつものごとくA様のお相手をしているとき、別のお客様が来店されることがあります。
他に空いてるスタッフがいなければ「少しお待ちください」とお伝えして「助かった~💦」とばかりに別のお役様のところに行って接客をします。
その時ばかりは、A様から解放してくださったそのお客様が神様に見えます(笑)。
でも、しばらくすると拗ねたように「帰るわ~!」って言うんです。
手が空いてスタッフが「帰るわ~!」の言葉を聞いてお見送りに行くと、また話が始まって、ちっとも帰らない…。
それが何回かあって、「帰るわ~!」って言えばまた相手してもらえるのを覚えちゃったのか、「帰るわ~!」ばっかり言うようになって…。
本当に忙しい日なんか何回「帰るわ~!」って言ってるか…。
別のお客様がくると「いいよいいよ、行ってきて!」って言ってくれるけど、完全に拗ねてる。
しまいには、スタッフみんながうんざりしてきて、本当に苦痛以外の何物でもない感じでした。
スタッフの一人にお客様の顔も見るのも嫌!って生理的に受け付けなくなっちゃった人もいるくらいでした。
A様も色々家庭の事情などで大変で、今思えば、ジュエリーが欲しくて来ているというより、誰かにかまってほしくて来ていたのかもしれません。

「帰るわ~!」って言えばかまってもらえるって覚えちゃって…何回言うねん!ってなりましたよ(笑)

笑えるようで笑えない話ですね。
それだけ追い詰められていたということですから、スタッフ全員で対応を共有できたのは正解でしたよ。
✦スタッフみんなで乗り越えた話
一人で抱え込まず、スタッフ全員で情報共有して順番に対応することで、なんとか乗り越えていました。
一人に負担が集中しないようにすることが、カスハラ対策の基本だと今でも思います。
店長はなかなか強く言えない立場。
結果として「言いにくいこと」は私が言うことが多く、正直、割に合わないなと思うこともありましたけどね(笑)。
✦それでもジュエリー販売員を続ける理由
カスハラに悩んだこともあったけれど、それ以上に私がおすすめしたジュエリーを気に入ってお買い上げ頂けたときが嬉しくって今も続けています。
本当に喜んでくださるお客様がいるから、この仕事はやめられない。
カスハラは決して我慢しなくていい問題です。
とは言え、お客様にカスハラですよってなかなか言えないですよね💦
販売員も守られるべき存在。
そのことが少しずつ社会に広まっていけばいいなと思っています。
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